【野菜の基礎知識】野菜は食べる部位やβ-カロテン含有量によって分類されている
野菜の分類

キャベツやレタス、トマトやきゅうり、人参や大根など、たくさんの種類がある野菜ですが、主にどのように分類されているかご存知でしょうか?
野菜は食べる部位やβ-カロテン含有量によって分類することができます。
アブラナ科やウリ科など、植物学によって分類することもできますが、この記事では、食用部位による分類とβ-カロテン含有量による分類に焦点をあてて解説していきたいと思います。
食用部位による分類

野菜は食べる部位によって分類することができます。主に葉茎菜類、果菜類、根菜類に分けられ、それらの中には豆類や芋類なども含まれます。
葉茎菜類(ようけいさいるい)
食用部位が「葉や茎」の部分の野菜のことを「葉茎菜類」といいます。この中には蕾を食べる野菜も含まれています。キャベツやほうれん草、ブロッコリーやねぎなどがこれに当たります。
果菜類(かさいるい)
食用部位が「実」の部分の野菜のことを「果菜類」といいます。トマトやナス、かぼちゃやきゅうりなどがこれに当たります。オクラやいんげんなどの豆類も果菜類に含まれます。
根菜類(こんさいるい)
食用部位が「根」の部分の野菜のことを「根菜類」といいます。大根、人参、レンコンなどがこれに当たります。じゃがいもやさつまいもなどの芋類も根菜類に含まれます。
β-カロテンの含有量による分類

野菜は食べる部位だけでなく、β-カロテンの含有量によって、「緑黄色野菜」と「淡色野菜(その他の野菜)」に分類することができます。名前を見ると色による分類と勘違いしそうですが、栄養素によって分類されています。
緑黄色野菜
β-カロテンが豊富な野菜のことを「緑黄色野菜」といいます。厚生労働省の基準では「可食部100g当たりのカロテン含有量が600㎍(マイクログラム)以上の野菜」とされています。
人参やかぼちゃなどがこれに当たります。ただし、トマトやピーマンなどのカロテン含有量が600㎍未満の野菜でも、一回の摂取量や使用頻度の高い野菜は緑黄色野菜に含まれます。
淡色野菜(その他の野菜)
緑黄色野菜以外の野菜のことを「淡色野菜」と呼びます。農林水産省や厚生労働省の分類では、「その他の野菜」に分類されています。玉葱、キャベツ、大根などがこれに当たります。
β-カロテンとは?

ここからは、β-カロテンについて解説したいと思います。β-カロテンは植物や動物に含まれる色素の1つで、体内でレチノール(=ビタミンA)に変換されます。そのことからプロビタミンAとも呼ばれている栄養素です。
β-カロテンの主な働き
β-カロテンは体内でビタミンAに変換され、目の神経伝達物質になります。そのため、β-カロテンが不足すると、ドライアイになったり、暗いところで目が見えにくくなります。
ビタミンAには皮膚や粘膜の細胞を正常に保ちながら免疫力を高める働きもあるので、β-カロテンが不足すると、免疫力が低下して風邪を引きやすくなったり、口内炎ができたりします。
β-カロテンが豊富な食材
β-カロテンが豊富な緑黄色野菜には下記のものがあります。
- シソ…11000㎍
- モロヘイヤ…10000㎍
- 人参…8200㎍
- パセリ…7400㎍
- 春菊…4500㎍
- ほうれん草…4200㎍
- かぼちゃ…4000㎍
※含有量が多い順に表記しています。
まとめ
食用部位による野菜の分類とβ-カロテン含有量による分類、そしてβ-カロテンの働きについてご紹介しました。食用部位をもっと細かく分類することもできますが、大きく分けると、葉茎菜類、果菜類、根菜類になります。
色による分類ではなく、β-カロテン含有量によって、緑黄色野菜と淡色野菜に分類されることを知らなかった人もいるのではないでしょうか。私もはじめて知った時は吃驚しました。
そして、冒頭でも書きましたが、野菜は「何科」に属するかという植物学による分類もできます。食用部位による分類では種類の異なる野菜が、植物学では同じ仲間に分類されているなど、調べてみると面白い発見がありますよ。