【貧血の症状や原因】貧血に効果のある栄養素とおすすめ食材も紹介!
貧血の症状

血液中の赤血球やヘモグロビンが基準値を下回っている状態のことを「貧血」といいます。
赤血球には酸素を全身に運搬するという重要な役割があるので、減少すると酸素が全身に行き渡らなくなり、酸欠状態になります。
人間の身体は酸素不足になると下記のような様々な症状が出ます。
部位 | 主な症状 |
脳が酸素不足になる | めまい・立ちくらみ・失神 |
筋肉が酸素不足になる | 疲れやすい・だるい・肩こり |
心臓が酸素不足になる | 動悸・息切れ・胸痛 |
貧血の原因

貧血の原因は主に鉄不足です。体内にある鉄のうち、約70%が赤血球を生成するヘモグロビンの成分となります。そのため、鉄が不足すると、血液中のヘモグロビンが減り、貧血になります。
これを「鉄欠乏性貧血」と言います。貧血患者の約7割がこれに該当すると言われています。
また、ビタミンB12や葉酸が不足しても貧血になります。ビタミンB12が不足することによって起こる貧血を「ビタミンB12欠乏性貧血」、葉酸が不足することによって起こる貧血を「葉酸欠乏性貧血」と言います。
それでは、なぜ鉄が不足するのでしょうか。
鉄が不足する原因として考えられるのは下記の4つです。
①摂取不足:栄養バランスの悪い食事やダイエットなど
②所要量の増加:妊娠・出産・授乳など
③喪失量の増加:月経や病気など
④消費量の増加:激しい運動や運動量の多いスポーツなど
①~③までは何となく分かりますね。④の消費量の増加というのは、激しい運動や運動量の多いスポーツなどをした時に鉄の消費量が増えることが原因です。
運動をして大量に汗をかくと、鉄は失われます。その結果、鉄不足になり、貧血に陥る場合があります。また運動をすると酸素を大量に使うので、それに伴って鉄の消費量も増加します。
貧血に効果のある栄養素

鉄
貧血の原因は鉄不足によるものがほとんどなので、鉄を摂取することで貧血の予防・改善に繋がります。一日の推奨量は7.5mgといわれていますが、貧血気味の人は日頃から少し多めに摂るようにするといいでしょう。
ただし、鉄には「ヘム鉄」と「非ヘム鉄」の2種類があり、非ヘム鉄は体内への吸収率が低いので、良質なタンパク質やビタミンCを多く含む食品と一緒に摂取するようにしましょう。
非ヘム鉄は良質なタンパク質やビタミンCを多く含む食材と一緒に摂取することで体内への吸収率がアップします。
ビタミンB12
ビタミンB12は赤血球の形成を助ける栄養素です。そのため、鉄や葉酸と一緒に摂取することで、貧血の予防・改善効果がさらにアップします。
一日の推奨量は成人で2.4㎍(マイクログラム)です。鉄と同様に、不足すると貧血(ビタミンB12欠乏性貧血)になる場合があるので、貧血気味の人はビタミンB12も摂取するようにしましょう。
葉酸
葉酸もビタミンB12と同様に赤血球の形成を助ける栄養素です。そのため、鉄やビタミンB12と一緒に摂取することで貧血の予防・改善効果がさらにアップします。
一日の推奨量は成人で240㎍(マイクログラム)です。鉄と同様に、不足すると貧血(葉酸欠乏性貧血)になる場合があるので、貧血気味の人は葉酸も摂取するようにしましょう。
ビタミンB6
ビタミンB6もヘモグロビンの合成に欠かせない栄養素です。もし、鉄やビタミンB12、葉酸を摂取しても貧血が続くようなら、ビタミンB6が不足している場合があります。
一日の推奨量は成人男性で1.4mg、成人女性で1.2mgです。ただし、血漿(血液の55%をしめる液体成分)中のビタミンB6濃度は年齢とともに下がるので、高齢者などは多めに摂取しましょう。
貧血に効果のあるおすすめ食材

ここからは鉄が豊富に含まれている食材をご紹介します。
ヘム鉄は主に肉や魚などの動物性食品に含まれています。非ヘム鉄は植物性食品や卵、乳製品などに含まれています。
鉄だけでなく貧血に効果のある栄養素もまとめていますので、参考にしてみてください。
・レバー:ヘム鉄・タンパク質・ビタミンB12・ビタミンB6・葉酸
・ひじき:非ヘム鉄
・カツオ:ヘム鉄・タンパク質・ビタミンB12・ビタミンB6
・マグロ:ヘム鉄・タンパク質・ビタミンB12・ビタミンB6
・イワシ:ヘム鉄・タンパク質・ビタミンB12・ビタミンB6
・カキ:非ヘム鉄・ビタミンB12・葉酸
・ほうれん草:非ヘム鉄・ビタミンC・葉酸
・小松菜:非ヘム鉄・ビタミンC・葉酸
・卵:非ヘム鉄・タンパク質・ビタミンB12・葉酸
・大豆:非ヘム鉄・タンパク質・葉酸
まとめ
貧血の症状と原因、貧血に効果のある栄養素とおすすめ食材をご紹介しました。
貧血の7割は鉄不足が原因と言われているので、貧血気味の方は積極的に摂取するようにしましょう。その際は、造血作用のあるビタミンB12やビタミンB6、葉酸も一緒に摂取するといいでしょう。
非ヘム鉄を摂取する場合には、良質なタンパク質やビタミンCも一緒に摂取するようにすると吸収率がアップします。