【五大栄養素】ミネラルの基礎知識!ミネラルの種類や特徴を紹介
ミネラルとは?
ミネラルはタンパク質、糖質、脂質、ビタミンとともに五大栄養素と言われている健康を維持するために必要な栄養素の1つです。
骨や歯を形成したり、神経の伝達や細胞の働きをスムーズにする栄養素で、体内で栄養素を分解したり合成したりするのに欠かせない酵素の働きもサポートしています。
体内では生成できない栄養素なので、食事などを通して補う必要があります。
ミネラルの種類
ミネラルと一言に言っても、たくさんの種類があります。その中でも体に必要なミネラルは「必須ミネラル」と呼ばれており、全部で16種類あります。
カルシウム、リン、カリウム、硫黄、塩素、ナトリウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、マンガン、クロム、ヨウ素、セレン、モリブデン、コバルトです。
これらのミネラルは、1日に必要な量によって「主要ミネラル」と「微量ミネラル」に分類されます。
そして、必須ミネラルの中でも、カルシウム、リン、カリウム、ナトリウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、マンガン、ヨウ素の10種類がとくに必要なミネラルと言われています。
ミネラルの特徴
ミネラルは種類によって働きや1日の所要量が異なります。そこで種類別に、主な働き、1日の所要量、不足するとどうなるかなど、それぞれの特徴をまとめてみました。
カルシウム(主要ミネラル)
- ミネラルの中で一番多い。
- 骨や歯を形成するのに必要な栄養素。
- 体内にあるカルシウムの内、99%が骨と歯にある。
- 残りの1%は筋肉や血液にあり、出血を止めたり、脳や筋肉の活動など、重要な役割を果たしている。
- 1日の所要量は650mg。
- カルシウムが不足すると、骨に貯蓄されていたカルシウムが溶け出すので、骨が弱くなり、骨折しやすくなる。
リン(主要ミネラル)
- ミネラルの中でカルシウムの次に多い。
- 骨や歯を形成するのに必要な栄養素。
- 体内にあるリンの内、85%が骨と歯にある。
- 残りの15%は筋肉や神経などにあり、エネルギーを生成するための役割を担っている。
- 1日の所要量は1000mg。
- リンは普段の食生活で不足することはほとんどない。カルシウムの代謝に関係しているので、逆に摂り過ぎると、骨密度や骨量が低下する。
カリウム(主要ミネラル)
- カリウムは成人の場合、体内に120~200g含まれている。
- そのほとんどが細胞内にある。
- 一部、血液や体液、骨などにある。
- 細胞内液の浸透圧を調整し、一定にキープする働きや、水分を保持する働きがある。
- ナトリウムを排出する作用で、塩分の取り過ぎを調節する。
- 1日の所要量は2500mg。
- 普段の食生活で不足することはほとんどないが、不足すると、脱力感、食欲不振、筋力低下、精神障害などの症状が現れる場合もある。
ナトリウム(主要ミネラル)
- ナトリウムは成人の場合、体内に約100g含まれている。
- 食塩の形で摂取される。
- そのほとんどが細胞外液にあり、細胞外液の浸透圧を調節し、外液量を一定にキープする働きがある。
- 筋肉を正常に動かしたり、神経の情報伝達などにも関わっている。
- 1日の所要量は600mg。食塩相当量1.5g。
- 普段の食生活で不足することはほとんどない。逆に過剰摂取すると、むくみ、口の渇き、高血圧などの症状が現れる場合がある。
マグネシウム(主要ミネラル)
- マグネシウムは成人の場合、体内に20~28g含まれている。
- 骨や歯の形成に必要な栄養素。
- 体内にあるマグネシウムの内、50~60%が骨にある。
- 神経の興奮を抑制したり、エネルギーの生成をサポートしたり、血圧を維持する働きがある。
- 1日の所要量は370mg。
- マグネシウムが長期間不足すると、生活習慣病のリスクが高まる可能性がある。
鉄(微量ミネラル)
- 鉄は体内に3~4gほど含まれている。
- 体内にある鉄の内、約70%が赤血球を生成するヘモグロビンの成分となる。
- ヘモグロビンは呼吸によって取り入れた酸素とくっつき、肺から身体の隅々へと酸素を運ぶ働きがある。
- 残りの内、約25%は肝臓などに貯蓄されている。
- 1日の所要量は7.5mg。
- 鉄が不足すると、血液中のヘモグロビンが減り、貧血になる。また、ヘモグロビンが減ることで酸素が全身に行き渡らなくなり、酸欠状態となって、めまいや動悸などの症状が現れる場合がある。
亜鉛(微量ミネラル)
- 細胞の再生に必要不可欠な栄養素。
- 味覚を正常に働かせたり、アルコールを分解したり、性機能を維持する働きがある。
- 新たな細胞を生成する際のDNAの複製やタンパク質の合成などに関わっている。
- 1日の所要量は10mg。
- 亜鉛は普段の食生活で不足しやすく、不足すると、味覚障害が起こる可能性がある。
銅(微量ミネラル)
- 銅は成人の場合、体内に約80mg含まれている。
- 鉄が赤血球を生成するのをサポートする働きがある。
- 活性酸素を除去する働きや骨の形成をサポートする働きがある。
- 1日の所要量は1.0mg。
- 銅は普段の食生活で不足することはほとんどないが、不足すると、貧血になる可能性がある。
マンガン(微量ミネラル)
- マンガンは成人の場合、体内に12~20mg含まれている。
- 糖質や脂質の代謝に働く酵素や抗酸化作用のある酵素などの構成成分になる。
- 骨の形成にも関わっている。
- 1日の所要量は4mg。
- マンガンは普段の食生活で不足することも過剰に摂取することもほとんどない栄養素である。
ヨウ素(微量ミネラル)
- ヨウ素は体内に約10mg含まれている。
- そのほとんどが甲状腺にあり、甲状腺ホルモンの構成成分になっている。
- 甲状腺ホルモンには身体の代謝など、さまざまな重要な機能を調節する働きがある。
- 1日の所要量は0.13mg。
- ヨウ素は普段の食生活で不足することはほとんどないが、不足すると、体力の低下や成長障害を引き起こす。
ミネラルが豊富な食材
- カルシウム…木綿豆腐、小松菜、牛乳
- リン…するめ、ししゃも、プロセスチーズ
- カリウム…里芋、バナナ、トマトジュース
- ナトリウム…きゅうりのぬか漬け、塩鮭
- マグネシウム…蕎麦、絹ごし豆腐、ほうれん草
- 鉄…豆乳、小松菜、カツオ
- 亜鉛…玄米、牛もも肉、ホタテ貝柱、納豆
- 銅…牛レバー、ホタルイカ、そら豆
- マンガン…栗、くるみ、煎茶
- ヨウ素…昆布、わかめ、海苔
まとめ
ミネラルの種類と特徴をご紹介しました。五大栄養素の1つであるミネラルは骨や歯を形成したり、身体の調子を整えるのに必要な栄養素です。中には普段の食生活では不足がちな成分もあるので、意識して摂り入れるようにしましょう。