【三大栄養素】糖質の基礎知識!糖質の種類や働きなどを紹介

糖質とは?

炭水化物を構成する成分

三大栄養素の一つである糖質は、健康を維持するために欠かせない重要な栄養素です。炭水化物を構成する成分で、糖質には、ごはんやパンなどの主成分であるでんぷん、甘味料として利用される砂糖(ショ糖)、果物に含まれる果糖などがあります。

消化・分解

体内に取り入れられた糖質は、消化管で消化・分解されたあと、ブドウ糖に変化し、腸から吸収されて肝臓に送られます。そして、血液を通じて体内の各組織に運ばれ、やがて二酸化炭素と水に分解されます。

エネルギー源となる

消化・分解の過程で、糖質は1g当たり4kcalのエネルギーを供給し、脳や筋肉が働くための重要なエネルギー源となります。体内で過剰になったブドウ糖は、グリコーゲンとして肝臓や筋肉で蓄えられ、必要に応じてグリコーゲンから再びブドウ糖に変化して血液中に放出され、エネルギー源として利用されます。

糖質の種類

ブドウ糖

ブドウ糖は自然界に最も多く存在する代表的な単糖類です。他の単糖類である果糖やガラクトースあるいはブドウ糖同士で結びついて、でんぷん・砂糖(ショ糖)・乳糖などを構成しています。

果糖

果糖は主に果物に多く含まれています。ブドウ糖よりも体内で脂肪に変わりやすいという特徴があります。そのため、果物の食べ過ぎは、肥満を招く原因となります。

乳糖

乳糖は母乳や牛乳に含まれています。エネルギー源となるだけでなく、腸内細菌の繁殖を助け、カルシウムやマグネシウムなどの吸収を良くする働きがあります。乳糖はラクターゼと呼ばれる消化酵素によって分解されたあと吸収されます。

オリゴ糖

オリゴ糖には腸内の有用菌であるビフィズス菌を増殖させて腸の調子を整えるほか、ビタミンの合成や免疫機能アップといった働きがあります。オリゴ糖にもいくつか種類があります。

大豆オリゴ糖

大豆タンパク質を利用した後の残りカスから作られるもので、大豆に含まれる各種のオリゴ糖の総称。消化酵素で分解されにくいことから、エネルギーはショ糖の約半分です。酸や熱にも強く、少量でビフィズス菌を増やすことができます。

イソマルトオリゴ糖

ハチミツや味噌、醤油等に含まれるオリゴ糖の一種です。酵母によって発酵しないことから、非発酵性糖とも呼ばれています。ビフィズス菌の増殖だけでなく、食品にコクや旨味、甘みを与えたり、食品の保存性を高めたりする働きがあります。

フラクトオリゴ糖

ビフィズス菌の増殖を促すほか、便秘を改善する作用も持っています。消化酵素で分解されにくいことから、低カロリーの甘味料として利用される一方、虫歯になりにくい甘味料としても用いられます。

ガラクトオリゴ糖

乳糖をアルカリで処理して作られたものです。ビフィズス菌の増殖、便秘並びに下痢の改善、タンパク質の消化・吸収と助けるといった働きがあります。

糖質の特徴

主な働き

・即効性の高いエネルギー源となる。
・脳や神経に対する唯一の栄養源になる。
・疲労を回復する。
・筋肉の運動や体温を維持する。

1日の所要量

糖質の1日の所要量は成人の男女ともに400gとされています。糖質を多く含む食品には、ごはんやパン、麺類などがあります。糖質の含有量は、そばが1玉当たり97.6g、そうめんが1束当たり72.4g、中華めんが1玉当たり72.8g、スパゲティが100g当たり72g、白米が1/2カップ当たり60.4gとなっています。

過剰に摂取すると

グリコーゲンを蓄えることができる量には限界があります。そのため、蓄えられなかった余分なブドウ糖は脂肪組織に運ばれて脂肪に変化し、体脂肪として蓄積されます。したがって、糖質の過剰な摂取は肥満に繋がります。

不足すると

糖質が不足すると、血液中のブドウ糖の濃度が低くなるため、全身がエネルギー不足となって疲労を感じやすくなります。また、集中力の低下や学習能力の減退、不眠、イライラ、不安など、身体に様々な影響を及ぼします。

牛乳を飲むと下痢を起こすのは?

乳糖はラクターゼと呼ばれる消化酵素によって分解されたあと吸収されます。乳幼児の頃は母乳や牛乳をたくさん飲んでいるので、このラクターゼ活性が高く、乳糖は容易に消化・吸収されます。

しかし、成長するにつれて、このラクターゼ活性は低下し、成人になると乳糖を消化しにくくなります。まだ消化されていない乳糖が大腸に運ばれ、腸内細菌によって発酵されます。その際にできた発酵産物が下痢を誘発したり、腹部の膨満を引き起こします。

牛乳を飲んだ時にお腹がゴロゴロしたり、下痢を起こしたりするのはこのためで、こうした症状を「乳糖不耐症」と呼びます。現在では乳糖不耐症の人でも飲めるよう、乳糖の一部を分解した牛乳が市販されています。ヨーグルトなども乳酸菌によって乳糖の一部が分解されているため、乳糖不耐症の人におすすめです。

まとめ

糖質の種類や働きなど、糖質の基礎知識をご紹介しました。糖質は脳や筋肉が働くための重要なエネルギー源です。過剰に摂取すると肥満に繋がりますが、不足すると身体に様々な影響を及ぼします。1日の所要量を目安にして、糖質もしっかりと摂取しましょう。