【五大栄養素】ビタミンの基礎知識!ビタミンの種類と働きなどを紹介
目次
ビタミンとは?
ビタミンはタンパク質、糖質、脂質、ミネラルとともに五大栄養素と言われている健康を維持するために必要な栄養素の1つです。
栄養素の代謝を潤滑にし、身体の調子を整えます。血液や粘膜、皮膚や骨などの健康維持を助ける栄養素で、緑黄色野菜、果物、レバーなどに含まれています。
ビタミンは体内で作ることができないものが多いので、食事から補う必要があります。
ビタミンの種類
ビタミンには、ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、ナイアシン、葉酸、パントテン酸など、たくさんの種類があります。
これらのビタミンは、水に溶けやすい水溶性ビタミンと油に溶けやすい脂溶性ビタミンに分類されます。水溶性ビタミンは大量に摂取しても吸収されずに体外に排出されてしまうので、毎日摂る必要があります。
ビタミンの特徴
ビタミンは種類によって働きや一日の推奨量が異なります。そこで種類別に主な働き、一日の推奨量、不足するとどうなるかなど、それぞれの特徴をまとめてみました。
ビタミンA(脂溶性ビタミン)
- 皮膚や粘膜の健康維持を助ける栄養素。
- 肌の基礎体力を上げ、肌の生まれ変わりを促進する。
- 夜間の視力の維持を助ける(視覚の暗順応)。
- 一日の推奨量は成人男性が850~900㎍RAE(レチノール活性当量)、成人女性が650~700㎍RAE。
- ビタミンAが不足すると、暗いところで目が見えなくなったり(鳥目)、感染症にかかりやすくなる。
- ビタミンAが豊富な食材:ほうれん草、人参、かぼちゃ、しその葉、バジル、レバー、うなぎ、乳製品など
ビタミンB1(水溶性ビタミン)
- 糖質の代謝に関わる栄養素。
- 糖質からのエネルギー産生と皮膚や粘膜の健康維持を助ける。
- 脳神経系の正常な働きにも関わっている。
- 一日の推奨量は成人男性で1.3~1.4mg、成人女性で1~1.1mg。
- ビタミンB1は不足すると、食欲低下、疲れやすい、身体がだるいなどの症状が起こる。不足状態が進むと脚気になる。
- ビタミンB1が豊富な食材:胚芽、豚肉、レバー、豆類など。
ビタミンB2(水溶性ビタミン)
- 皮膚や粘膜の健康維持を助ける栄養素。
- タンパク質、糖質、脂質の代謝に関わっている。
- 一日の推奨量は成人男性で1.5~1.6mg、成人女性で1.1~1.2mg。
- ビタミンB2が不足すると、発育や成長が阻害されたり、皮膚や粘膜の炎症が起こりやすくなる。
- ビタミンB2が豊富な食材:レバー、うなぎ、卵、納豆、乳製品、葉野菜など。
ビタミンB6(水溶性ビタミン)
- タンパク質の代謝に関わる栄養素。
- タンパク質からのエネルギー産生と皮膚や粘膜の健康維持を助ける。
- 一日の推奨量は成人男性で1.4mg、成人女性で1.2mg。
- ビタミンB6が不足すると、皮膚炎、口内炎、貧血、脳波の異常などが起こる。
- ビタミンB6が豊富な食材:カツオやマグロなどの魚類、レバー、肉類、バナナなど。
ビタミンB12(水溶性ビタミン)
- 葉酸とともに赤血球の形成を助ける栄養素。
- 脳神経系の正常な働きにも関わっている。
- 一日の推奨量は成人で2.4㎍(マイクログラム)。
- ビタミンB12が不足すると、貧血になる。ひどい場合には巨赤芽球性貧血という悪性の貧血が起こる。
- ビタミンB12が豊富な食材:魚介類、レバーなどの動物性食品。
ビタミンC(水溶性ビタミン)
- 皮膚や粘膜の健康維持を助ける栄養素。
- 抗酸化作用を持ち、メラニン色素の生成を抑える働きがある。
- コラーゲンの生成にも深く関わっている。
- 一日の推奨量は成人で100mg。
- ビタミンCが不足すると、コラーゲンを合成できず、血管がもろくなり出血しやすくなるので、壊血病、皮下出血、貧血になるおそれがある。骨形成不全の原因にも。
- ビタミンCが豊富な食材:パプリカ、ブロッコリー、カリフラワー、レモン、キウイフルーツ、海苔など。
ビタミンD(脂溶性ビタミン)
- 腸管でカルシウムの吸収を促進し、骨の形成を助ける栄養素
- 血液中のカルシウム濃度を保ち、丈夫な骨を作る働きがある。
- 一日の推奨量は成人で5.5~6㎍(マイクログラム)。
- ビタミンDが不足すると、カルシウムの吸収が不十分になり、骨や歯がうまく形成されなくなる。くる病や骨軟化症の原因になる。
- ビタミンDが豊富な食材:しらす干しや塩サケなどの魚介類、卵類、きのこ類など。
ビタミンE(脂溶性ビタミン)
- 細胞の健康維持を助ける栄養素。
- 体内で発生する有害な活性酸素の働きを防ぐ抗酸化作用がある。
- 免疫細胞の機能低下を防ぐ働きがある。
- 一日の推奨量は成人で6~6.5mg。
- ビタミンEが不足すると、細胞膜の脂質が酸化して損傷するので、感覚障害や神経症状が起こる場合がある。
- ビタミンEが豊富な食材:アーモンド、植物油、うなぎ、たらこ、西洋かぼちゃ、アボカドなど。
ビタミンK(脂溶性ビタミン)
- 正常な血液凝固を維持する栄養素。
- 骨にあるタンパク質を活性化し、形成を促し、骨の健康維持を助ける働きもある。
- 動脈の健康にも関わっている。
- 一日の推奨量は成人で150㎍(マイクログラム)。
- ビタミンKは通常の食生活で不足する心配はほとんどない。
- ビタミンKが豊富な食材:納豆、小松菜、ほうれん草、緑黄色野菜など。
ナイアシン(水溶性ビタミン)
- ビタミンB群に含まれる栄養素。
- タンパク質、糖質、脂質の代謝に関わっており、皮膚や粘膜の健康維持を助ける。
- 一日の推奨量は成人男性で14~15mgNE(ナイアシン当量)、成人女性で11~12mgNE。
- ナイアシンが不足すると、食欲低下、消化不良、皮膚の発疹などが起こる。さらに不足すると、ペラグラという欠乏症になる。症状はうろこ状の皮膚炎、認知症、下痢など。
- ナイアシンが豊富な食材:レバー、魚類、肉類など。
葉酸(水溶性ビタミン)
- タンパク質や細胞を作る際にDNAなどの核酸を合成する働きがある。
- 赤血球の形成を助け、胎児の正常な発育に役立つ。
- 脳卒中や心筋梗塞などの循環器疾患を防ぐとも言われている。
- 一日の推奨量は成人で240㎍(マイクログラム)。
- 葉酸は通常の食生活で不足する心配はほとんどない。ただし、妊娠中の女性は不足しやすいので、胎児への悪影響を考え、積極的に摂取する必要がある。
- 葉酸が豊富な食材:レバー、ほうれん草、ブロッコリー、モロヘイヤ、枝豆、いちごなど。
パントテン酸(水溶性ビタミン)
- ビタミンB群に含まれる栄養素。
- タンパク質、糖質、脂質の代謝に関わっており、皮膚や粘膜の健康維持を助ける。
- コレステロール、ホルモン、免疫抗体などの合成にも関わっている。
- 一日の推奨量は成人男性で5mg、成人女性で4~5mg。
- パントテン酸が不足すると、頭痛、疲労、成長障害、手足の知覚障害などが起こる。
- パントテン酸が豊富な食材:レバー、納豆、サケ、イワシ、肉類、卵など。
まとめ
ビタミンの種類と特徴をご紹介しました。ビタミンの中には体内で合成できないものもあり、不足すると様々な症状を引き起こすので、積極的に摂取しましょう。
ただし、水溶性ビタミンは大量に摂取しても体内で吸収されずに排出されてしまうので、毎日きちんと摂る必要があります。この記事を参考にして、ぜひビタミンを摂り入れてみてくださいね。